おせわ びょうき

猫のワクチンは毎年打たないとダメ?必要な理由と気を付けるポイント

病気から大切な家族を守るため、猫へのワクチン接種が推奨されています。
免疫をつけるために必要だとわかっていても

「毎年打つ必要がある?」
「腎臓病の原因になるって聞いたけど……」

など、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
ワクチンの必要性や気を付けたいポイントについてご紹介します。

目次

家猫でもワクチンは毎年必要?

外に出る猫は感染症のリスクが高まるため、ワクチンの必要性も理解できますが「完全室内飼育の家猫にも必要なの?」と疑問を感じます。
ワクチンはもしもの感染症から猫を守るために、とても大切なもの。
家猫でもワクチン接種をおすすめします。
とくに子猫は免疫力が弱く感染症のリスクが高まるため、適した時期にワクチンを接種してくださいね。

猫のワクチンの種類

猫のワクチンには、大きく分けて2つの種類があります。
この2つのワクチンでは、7種類の感染症から猫を守ることができるんですよ。
ここでは猫のワクチンの種類についてご紹介します。

7つの感染症を2つのワクチンで守る

ワクチンには

  • コアワクチン
  • ノンコアワクチン

の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
2つのワクチンの特徴と、どのような感染症を防げるのかチェックしましょう。

コアワクチンとは

コアワクチンとは、猫にとって致死率や伝播性の高い感染症を予防します。

予防できる主な感染症

・猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
・猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
・猫カリシウイルス感染症

猫汎白血球減少症は嘔吐や下痢、血便を引き起こす致死率の高い病気。
一度免疫がつけば、長期間にわたって病気を予防できるので安心です。
猫ウィルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症は、目・鼻・口・呼吸の疾患で、いわゆる「猫風邪」の一種。
予防接種をしても1~3年で免疫が低下するので、再接種を検討してくださいね。

ノンコワクチンとは

ノンコアワクチンは、生活している環境によるリスクに合わせたワクチン接種が必要なものです。

予防できる主な感染症

・猫白血病ウィルス(FeLV)感染症
・猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズウイルス)
・猫クラミジア感染症
・狂犬病ウイルス

猫の年齢のほか外に出る機会があるか、多頭飼育かなどを考慮して、かかりつけ医とどのワクチンを接種するか決めましょう。

何本も注射をしなければいけないの?

予防できる病気が多いと、注射をたくさん打たなければいけないの? と不安になってしまいますよね。
でも大丈夫ですよ!
猫のワクチンは、予防したい感染症に合わせて3種混合や4種混合などがあります。
ほとんどの場合は1本の注射で対応できますが、予防したい感染症によっては2本になるケースも。
また毎年必要なのか気になるところですが、現在は3年に1度程度の接種が推奨されています。
しかしなかには1年で抗体量が減ってしまうこともあるため、1年に1度受けたほうがいいケースがあることも覚えておきましょう。

気になる費用は?

ワクチン接種で気になるのが費用ですよね。
猫のワクチンはどの動物病院でも一律というわけではなく、病院によって自由に費用が設定されているんです。

ワクチンの相場

・猫白血病ウイルス感染症を含まないもの:4,400円程度
・猫白血病ウイルス感染症を含むもの:6,500円程度
・猫白血病ワクチン単品:4,000円程度
・猫エイズワクチン単品:4,300円程度
・3種混合ワクチン:3,000~5,000円
・4種5種混合ワクチン:5,000~7,000円

事前に動物病院に確認すると安心ですね。

猫のワクチンのスケジュール

ワクチンを打とうと思っても、いつどのタイミングで打てばいいのか迷いますよね。
ここでは猫のワクチンのスケジュールについて見ていきましょう。

生後2ヶ月から4ヶ月の間に1度打つ

猫も人間と同じように、生まれてすぐは母猫からもらった抗体があり、さまざまな感染症から守ってくれます。
しかし成長とともに抗体量は減少し、数ヶ月後には消失してしまいます。
そのため抗体が完全に消失する前に、ワクチンを打つのが理想なんです。
生後2ヶ月~4ヶ月ころに1回目のワクチンを受けるようにしましょう。
その後必要に応じてワクチンの追加接種を受けます。

抗体検査を活用する

ワクチン接種を検討しても、すでに抗体を持っている場合はその効果を十分に発揮しないことも。
ワクチン接種が無駄になってしまわないために、抗体検査を受けるのもひとつの方法。
少量の採血で検査することができるので、かかりつけ医に相談してみてくださいね。

打つ時期を過ぎたら?

もしワクチンを打つ時期を過ぎてしまったらどうしたらいいのでしょう。
猫を迎え入れた時期がすでに大人だったというケースもあるでしょうから、まずはかかりつけ医に相談することが大切です。
飼い主が「ワクチンを打とう」と思ったときが打ちどき。
ワクチンを打つ時期を過ぎても大丈夫ですよ。

ワクチンによる腎臓の病気のリスクがあるって本当?

猫のワクチンを打つことで腎臓病のリスクがあるのでは? と心配されている飼い主も多いようですね。
感染症予防に期待できる反面、ワクチンに用いられる細胞が免疫応答してしまうのでは、ということが指摘されているんです。
詳しいことはわかっていませんが、現在の研究までに「コアワクチンと腎不全の関係性は否定できない」とされています。
発症はまれだといわれていますが、メリットとデメリットをしっかり確認したうえで、ワクチン接種を検討してくださいね。

ワクチンを受ける際に気を付けること

ワクチンは病気から猫を守る大切なもの。
とはいえワクチンも薬品ですから、猫の体の負担になるのも事実です。
猫にワクチンを打つ日は、猫の様子を観察できるよう飼い主に時間的余裕がある日を選びましょう。

ワクチン接種後のチェックポイント

・食欲はあるか
・ぐったりしている様子はないか
・呼吸は安定しているか

副反応は24時間以内に出ることがあるので、接種後1日は様子を見る必要があります
いつもと違う様子が見られたら、早めにワクチンを打った病院で見てもらってくださいね。
また抗体がつくまでに2週間ほどかかるため、ほかの猫との接触はできるだけ避けましょう

まとめ

ワクチンは感染症から猫を守ってあげるための、飼い主からのプレゼント。
できるだけ健康で長生きしてほしい、すべての飼い主が願うことですよね。
ワクチンを打たなくても感染症にかからないこともありますが、ワクチンを打たなかったことで感染症になり後悔してしまうこともあるかもしれません。
かかりつけ医と相談したうえで、前向きにワクチン接種を検討してくださいね。

-おせわ, びょうき