感染症から猫を守るためには、ワクチンの接種がとっても大切。
いざ打とうと思って調べてみると、猫のワクチンには「3種」や「5種」などがあるようです。
「3種と5種って何が違うの?」
「どっちを打てばいいの?」
「費用は?」
など、気になることがたくさん!
これから猫のワクチン接種を検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
猫のワクチン3種と5種の違い
猫のワクチンで防げる病気は全部で7つ。
ワクチンで予防できる病気
- 猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症〈猫伝染性腸炎)
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウィルス(FeLV)感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、猫エイズウイルス)
- 狂犬病
「全部防ぎたかったら7つも打つの?!」と思うかもしれませんが、いくつかのワクチンが組み合わせてあるものが主流なのでご安心を。
おもに「3種」と「5種」に分けられます。
まずは3種と5種の違いについて見ていきましょう。
3種
3種混合ワクチンは主に下記3つの感染症を予防します。
予防できる感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
この3つの感染症は伝播性がかなり高く、感染してこじらせてしまうと命の危険もあるんです。
そのため、3種混合ワクチンはすべての猫に接種することが推奨されており、「コアワクチン」と呼ばれています。
5種
5種混合は3種混合ワクチンよりも多くの感染症に効果があります。
予防できる感染症
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス感染症
コアワクチンに対して、ノンコアワクチンと呼ばれたりもします。
4種や単体で打つことも可能
猫のワクチンは3種と5種が一般的ですが、4種や単体で打つことも可能。
猫白血病ウイルス感染症と狂犬病のワクチンは単体で打つことができるので、必要に応じて接種してくださいね。
また猫白血病ウイルス感染症のワクチンは、3種混合にプラスして4種混合として接種できますよ。
動物病院によって対応が異なるようですので、事前に相談してみるといいでしょう。
3種と5種どちらを打てばいい?
猫のワクチンは、3種と5種が主流ということがわかりましたが、
「じゃあどっちを打った方がいいの?」
と迷ってしまいますよね。
できるだけ猫に負担をかけたくない、でも猫の健康は守りたい!
猫のワクチンは暮らしている環境に合わせて選ぶのがポイントなんです。
ここではワクチンの選び方について見ていきましょう。
完全室内飼育なら3種でOK
3種混合ワクチンで防げる3つの感染症は、すべての猫に感染するリスクがあるもの。
そのため、完全室内飼育でもワクチン接種が推奨されています。
一般的に猫の感染症は、猫同士の接触によるものがほとんど。
「じゃあ室内飼育なら打たなくてもいいんじゃない?」
と思ってしまいますが、飼い主の靴や服がウイルスを持ち込む可能性もあります。
近所に野良猫がいれば、風に乗って窓から入り込んでしまうことも!
とくに猫ウイルス性鼻気管炎は感染力が強く、室内飼育の猫でも感染するリスクがあるんです。
3種ワクチンを打っておけば、安心感がぐっと高まりますよ。
多頭飼育や外に出る可能性があるなら5種を
5種混合をおすすめする猫ちゃんは、
- 多頭飼育をしている
- 少しでも外に出る可能性がある
というケース。
猫クラミジア感染症と猫白血病ウイルス感染症も、感染経路は猫同士の接触ですが、糞尿や唾液に含まれていることが多いため、ケンカやグルーミングによる感染がほとんど。
そのため、1匹のみの飼育や完全室内飼育の猫ちゃんは、必ずしも打つ必要はありません。
5種を打つかどうか迷っている人は、一度動物病院で相談してみるといいですよ。
猫のワクチンの費用が気になる!
猫にもワクチンが必要なことはわかったけど、やっぱり気になるのは費用!
なんとなく高いイメージがあるので、
「高かったらちょっと考えちゃうな」
と思っている人もいるかもしれませんね。
気になる費用は下記の通りです。
ポイント
- 3種混合ワクチン:3,000~5,000円程度
- 4種・5種混合ワクチン:5,000~7,000円程度
- 猫白血病ワクチン単体:4,000円程度
- 猫免疫不全ウイルス感染症ワクチン単体:4,500円程度
費用は動物病院によって異なるので、かかりつけの病院で確認してくださいね。
ワクチンの間隔と気になる副作用
猫を感染症から守るためには、ワクチン接種の間隔も大きなポイント!
「毎年打つ必要があるの?」
「1回打ったらもういいの?」
など、ワクチンを接種する間隔についてわからないこともあるかもしれませんね。
ここでは猫のワクチンの適切な間隔について学んでおきましょう。
ワクチンの間隔は生活環境に合わせる
猫のワクチンは、1度接種したら完了するものではなく、定期的に接種することが推奨されています。
しかしその間隔は、猫が暮らす環境に合わせてOKなんですよ!
現在日本では、コアワクチンに関しては1年に1回の接種が基本。
しかし海外では暮らしている環境に合わせて1年から3年の間隔で摂取するのが好ましい、という考えもあるようです。
定期的に抗体検査を行い、抗体量が減っていたら接種する、という動物病院も増えているようですね。
ノンコアワクチンに関しては、1年に1回の接種が好ましいとされています。
ワクチンの間隔についても、かかりつけ医と相談して決めるのがおすすめですよ。
副作用は?
猫のワクチン、安全性が確立されているとはいえ、やっぱり副作用・副反応が気になりますよね。
3種・5種ともに目立つ副作用の報告はありませんが、まれに次のような症状がみられることも。
- 顔が腫れている
- かゆがっている、じんましんが出た
- 嘔吐や下痢
- 発熱
- ぐったりしている
- 呼吸がしにくそう
- 注射部位にしこりがある
ワクチン接種直後はこのような症状が出ないか、よく見てあげてくださいね。
また接種後24時間程度は、変わった様子が見られないかチェックしてあげましょう。
まとめ
猫のワクチン接種をすることで、7種類の感染症を防ぐことができます。
もし感染してしまい、命が危険にさらされてしまったら…
そうならないためにも、どんな環境で飼育している猫にも、ワクチン接種を検討してみてくださいね。
「保険に入っているから、ワクチン打たなくてもいいでしょ」
という人も、実は保険の条件にワクチン接種が示されていることもあります。
猫の健康を守れるのは飼い主だけ!
ワクチンで感染症を防げるなら、ワクチン接種は絶対にしたほうがいいですね。