寒くなると増えるのが暖房器具による低温やけど。
愛猫に暖かくすごしてほしいけれど、やけどが心配という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
猫の低温やけどは原因を知り、しっかりと対策をすることでリスクを減らすことができます。
今回は猫の低温やけどの原因と暖房器具の安全な使い方をご紹介します。
また、低温やけどの応急処置についてもご紹介していますので、いざというときに慌てないためにも、ぜひ覚えておきましょう。
目次
猫が低温やけどをする原因と温度
低温やけどは熱く感じない温度でも、熱源に触れている時間が長いと起きるやけどです。
猫の場合、体温(38〜39度程度)より少し高い44度程度から起きるといわれています。
ところが、猫は被毛で覆われていることもあって熱さに鈍感。
50度くらいでようやく「あれれ?なんか熱い?」と感じるのだそうです。
そのせいで毎年低温やけどになる猫があとをたちません。
だからこそ、しっかりと対策する必要があるのです。
低温やけどは温度が高いほど短時間で起きます。
熱源の温度が44度では3〜4時間かかるのに対して、46度になるとわずか1時間程度。
運動量が落ちた老猫など、同じポーズでじっとしている時間が長い猫ほど低温やけどのリスクは高くなります。
低温やけどの症状
低温やけどをした猫は特定の場所をしきりに気にして舐めたり、触られるのをいやがったりします。
熱源に長時間触れていた部分を気にしていたら要注意です。
普段と違う行動やしぐさをしているときは気をつけてください。
Ⅰ度熱傷
軽度のやけどです。
症状としては皮膚が赤くなってヒリヒリするぐらいで、たいていは数日できれいに治ります。
浅達性II度熱傷
中程度のやけどで、水ぶくれができたりして強い痛みを感じます。
同じ部分を執拗に舐めていたり、熱源に触れていた部分を触ったときにいやがるようなしぐさが見られます。
完治までには1〜2週間かかります。
深達性II度熱傷
表皮の下にある真皮のさらに深い部分までのやけどです。
皮膚が壊死して感染症を併発するおそれがあります。
神経に損傷を受けている場合は逆に痛みを感じにくくなっているかもしれません。
このレベルになると治るまでに1ヶ月ほどかかるでしょう。
また、やけどの痕が残る可能性もあります。
III度熱傷
かなり重症です。
やけどが皮下組織まで達している状態で神経や血管も損傷を受けている可能性が高いと考えられます。
治療期間も1ヶ月以上を要するでしょう。
低温やけどの応急処置と治療
やけどは時間が経つほど症状が悪化します。
そのため、気がついたらできるだけ早く患部を冷やすのが重要です。
冷水のシャワーを使うのが効率的ですが、冷やしすぎると低体温になるおそれがあるため、短時間にとどめるようにします。
また、体が弱い子猫や老猫の場合や寒い時期はシャワーは控えたほうがよいでしょう。
水が嫌いな猫など、流水で冷やせないときは氷のうや保冷剤で30分ほど冷やしてください。
やけどの範囲が広い場合は濡れタオルで覆うようにして患部全体をカバーします。
ある程度患部を冷やしたら、濡れタオルなどで冷やしながらなるべく早く動物病院に連れて行きましょう。
患部が紫色や黒ずんでいる場合は、体組織が壊死を起こしている可能性があります。
すみやかに受診してください。
また、猫がいやがって冷やせなかった場合も同様です。
動物病院では患部の冷却および消毒をして、軽症であれば塗り薬を使います。
重症の場合は皮膚移植を行なうこともあります。
暖房器具を安全に使うためには
湯たんぽ
湯たんぽはお湯を入れた直後は高温になります。
専用のカバーや毛布などの厚手の布で包むようにしましょう。
また、熱湯を使うと温かさが長時間持続する反面、低温やけどのリスクが高くなるので避けてください。
自分で身動きができない子猫や老猫は、定期的に向きを変えてあげましょう。
ホットカーペット
ホットカーペットは温度設定を38度程度にし、直接触れないようにマットや毛布などを敷いて使用します。
同じ場所に長時間乗っていると熱がたまって温度が高くなるため、老猫などは定期的に場所を変えたり、姿勢を変えたりしてください。
また、低温やけど以外にも脱水のリスクもあるので要注意。
いつでも水が飲めるように猫の近くに置いておきましょう。
表裏で2つの温度が設定されているものだと、猫ちゃんの好みに合わせられるので便利ですよ。(例 低温:30度、高温:38度)
また、噛み癖のある猫ちゃんはコードの断線に要注意。コードにカバーが付いていて頑丈なものを選びましょう。
我が家ではブリーダーさんのおすすめもあって、下記2つを使用してます。子猫時代や冬にはとても重宝しています。
こたつ
こたつは低温やけどのほか、脱水や熱中症にも注意が必要です。
中の温度が上がりすぎないように弱めに設定し、ときどき布団をめくって空気を入れ替えます。
豆炭や練炭を使用するこたつの場合は一酸化炭素中毒のリスクがあります。
定期的な空気の入れ替えを欠かさないようにしてください。
眠りが深いと気がつかないうちに危険な状態になっていることもあるため、猫がいるご家庭では避けたほうが安心です。
まとめ
猫は熱さに鈍感なうえに、44度程度の温度でも長時間触れているだけで低温やけどになるため注意が必要です。
暖房器具の温度を適切に設定する、マットを敷くなどの工夫をすることでリスクを低減できます。
愛猫が安全で快適に暮らせるようにしっかり対策しましょう。