発情期のオス猫は、性格や行動に大きな変化が見られます。
そのため、発情期を迎えたオス猫と暮らす飼い主さんは、
「飼っているオス猫の性格が攻撃的になった」
「トイレ以外でおしっこするから掃除が大変」
といった悩みでストレスを抱えがちです。
そこで今回は、オス猫の発情する時期、行動、対処法、便利なグッズについてお話しします。
オス猫の発情期に関する知識を増やし、猫と飼い主さんがストレスフリーに暮らせる方法を考えてみましょう。
目次
オス猫の発情期はいつ頃?
実はオス猫には、決まった発情期がありません。
すでに発情しているメス猫のフェロモンや鳴き声に反応し、オス猫側も本格的に発情する仕組みになっているからです。
しかし、メス猫がいない環境下で暮らすオス猫も、体の性成熟に伴って発情行動を取るようになります。
オス猫は、生後8~12か月で性本能が芽生えます。
いつでも交尾可能な体の状態になることから、この月齢になったオス猫は、スプレー行為といった発情による問題行動を取り始めます。
オス猫が発情期に取る行動
発情期のオス猫に見られる行動の変化は、以下のようになっています。
スプレー行為
生後8~12か月になったオス猫の多くは、スプレー状に尿をまき散らすスプレー行為を始めます。
これは、性本能が活発化することによって起こる行動で、メス猫に向けた性的アピールであると同時に、他のオス猫に対するテリトリーの主張でもあります。
マーキング行為の一環として行われていることから、同じ場所で何度もスプレーを行う傾向にあります。
尚、スプレーされた尿は通常の尿とは違い、洗濯しても取れないほどの強い臭いとなっています。
大きな鳴き声を出す
オス猫は、発情したメス猫の存在を察知することで本格的に発情します。
そのため、オス猫の周囲に発情期を迎えたメス猫がいる場合、オス猫は自分の存在をアピールするために大きな鳴き声を出します。
これは、周辺のオス猫に対する威嚇行為でもあり、発情しているオス猫が見せる習性となっています。
避妊していないメス猫が同居している場合はもちろん、野良猫が多い地域で暮らしている場合にも注意が必要です。
家からの脱走を試みる
発情したオス猫は、メス猫を求めて徘徊する傾向にあります。
玄関や窓など、あらゆる場所からの脱走に気を付けましょう。
性格に変化が見られる
発情中のオス猫は、繁殖モードに入っています。
そのため、自分がオスとして他の猫よりも優位であることを周囲にアピールしようとします。
同居している他のオス猫を攻撃する以外にも、人に対して気性が荒くなるオス猫もいるため、慎重に接するよう心掛けましょう。
また、精神的に不安定な状態になりやすいため、ナーバスな性格になってしまうオス猫も見られます。
オス猫の発情期における対処法
発情したオス猫と暮らす場合、上手な対処法を知っておくことが快適に暮らす鍵となります。
それでは、発情期を迎えたオス猫への対処法を見ていきましょう。
去勢手術をする
猫による個体差はあるものの、去勢手術によってオス猫の問題行動を大幅に減らすことができます。
去勢手術を受けた場合、オス猫の発情行為に以下のような変化が見られます。
・外への脱走に興味を失う
・大声で鳴かなくなる
・性格が穏やかになる
・スプレー行為が抑えられる
しかし、既に発情期を迎えたオス猫の場合、去勢手術をしてもスプレー行為が治らない可能性もあります。
オス猫の発情行為を未然に防ぎたい方は、できるだけ早めの去勢手術を検討しましょう。
また、去勢手術には以下のようなデメリットもあります。
・麻酔による副作用
・ホルモンの変化による体重増加
さまざまな発情期の問題を解決してくれる去勢手術ですが、良い点ばかりではありません。
オス猫に去勢手術を受けさせたい方は、一度獣医師に相談してみることをおすすめします。
カーテンを閉める
完全室内飼いの猫は、窓から外の様子を見ています。
そのため、カーテンを開けっぱなしにしていると、窓の外にいる猫の姿に反応してしまう可能性があります。
発情中のオス猫は、些細な刺激にも敏感です。
オス猫が外にいる猫の存在を気にせず過ごせるように、カーテンを閉めて過ごすことがおすすめです。
脱走防止対策をする
発情したオス猫と暮らしている場合、脱走防止対策を徹底する必要があります。
メス猫を探しに家の外に出てしまい、そのまま迷子になったり、事故に遭ったりするリスクがあるからです。
最も多い脱走経路は、人の出入りが頻繫な玄関です。
玄関のドアを開けた拍子にオス猫が逃げ出さないよう、玄関周辺は特に念入りに脱走防止対策を施しましょう。
スプレーされた場所をこまめに掃除する
発情期のオスが出すスプレー状の尿は、非常にきつい臭いがします。
スプレーされた尿を放置してしまうと、その場所に臭いが残ってしまい、オス猫が再び同じ場所でスプレーするリスクがあります。
オス猫がスプレーした際は、その都度こまめに掃除することが大切です。
また、お気に入りのスプレー場所がある場合は、その場所にオス猫が立ち入れないようバリケードなどを設置することもおすすめです。
騒音対策を徹底する
夜行性である猫は、夜間に大声で鳴く傾向にあります。
近所迷惑を防ぐためにも、できるだけ早めの騒音対策が大切です。
簡単に設置できるアイテムが多数販売されているので、ご自宅に合った防音グッズの利用を検討してみましょう。
オス猫の発情で使える便利な道具
グッズを取り入れることで、発情中のオス猫に対処することが可能です。
以下は、ネット、ホームセンター、ペットショップなどで手軽に入手できる便利なアイテムとなっています。
脱走防止用の柵
猫の脱走対策に最も効果的なアイテムが、ペット用のゲートです。
「ペットゲート」「脱走防止扉」「脱走防止フェンス」など、さまざまな名称で販売されています。
突っ張り棒を使って玄関に設置できるものが多いという特徴があるため、賃貸のおうちでも簡単に取り外せるというメリットがあります。
尚、ゲートを購入する際には、成猫が登れない高さのものを選ぶようにしましょう。
消臭剤
オス猫の発情で最も困るのが、臭いの強い尿をまき散らすスプレー行為です。
同じ場所で何度もスプレーするオス猫が多いことから、尿の臭いを残さず綺麗に掃除することが必須となります。
掃除用洗剤で臭いを完全に除去することは難しいので、ペット用の専用消臭剤を活用しましょう。
猫が誤って舐めても安全な製品が多く、しっかりと尿の臭いを取り除いてくれます。
また、マーキング用の消臭剤を1本常備しておくと、庭などに来る野良猫の尿を掃除する際にも役立ちます。
我が家ではこちらのLionの泡スプレー、消臭スプレー、置型消臭剤を使用しています。
安価で匂いや汚れもとれ易いので重宝してます。
置型消臭剤はペット用じゃなくて、無香料のお徳用パックの消臭剤でも問題ないと思います。
防音グッズ
近所迷惑を事前に防ぐためにも、騒音対策はしっかりと行いましょう。
防音カーテンや、壁に貼り付けられる防音シートを活用することで、比較的簡単に騒音対策ができます。
もし壁に防音シートを貼るのが難しい場合は、グラスウールやロックウールなどの素材を壁と家具の間に指し込むのがおすすめです。
これらの素材は防音性能が高く、賃貸でも取り入れやすい対策方法となっています。
まとめ
今回は、オス猫の発情期について解説しました。
生殖本能を持つ猫にとって、発情は自然な現象です。
しかし、一緒に暮らす飼い主さんの負担を減らすためにも、各家庭に合った上手な対処法を考えることが大切です。
今回の記事を参考にして、猫と飼い主さんの双方が幸せに暮らせる選択をしてくださいね。